契約不適合責任[けいやくふてきごうせきにん]

契約不適合責任とは

「契約不適合責任」とは、売買契約・請負契約において、引き渡された目的物(品物)に、品物違い・品質不良・数量違いなどがあった場合に、売主(施工業者)が買主(施主)に対して負う法的責任を指します。契約不適合責任は、2020年4月に瑕疵担保責任から名称変更し、新しくなった法律です。

契約不適合責任を追及できるケース

1. 品物違い
契約上の目的物(品物)と、実際の品元が違った場合
2. 数量違い
契約上の目的物(品物)の数量に対して、実際の数量が多かった・少なかった場合
3. 品質不良
契約上の目的物(品物)の品質に対して、実際の品物の品質が不良だった場合

契約不適合責任の権利行使の制限期間

「契約不適合責任」には、権利行使の制限期間が定められており、原則として「目的物(品物)の不適合を知ってから1年」です。(民法第566条、第637条第1項)

契約不適合責任の権利行使の制限期間

ただし不適合の内容によって異なるため、注意が必要です。

種類・品質の契約不適合
目的物(品物)の種類・品質に不適合があった場合、買主が契約不適合を知ってから1年以内に通知する必要があります。通知を1年以内にすることで、消滅時効前に請求を行うことができます。
消滅時効の期間は、以下になります。
  • 権利行使できることを知った時から5年
  • 権利行使できる時点から10年間
数量・権利の契約不適合
目的物の数量や権利の契約不適合が発覚した場合には、見た目にも明らかであることがわかるため、請求の時期によって不利益になることはありません。 そのため、通常の時効消滅通りの扱いとなります。 なお、通常の消滅時効とは、「権利の行使が可能となったことを知った時点から5年」「権利の行使が可能となったときから10年」となっています。 数量・権利の契約不適合の場合、買主は売主に通知する必要はありません。目的物(品物)の数量や権利の契約不適合は、目視でもわかるため請求の時期による不利益がないためです。そのため通常の消滅時効が適用されます。
通常の消滅時効は以下のとおりです。

  • 権利行使できることを知った時から5年
  • 権利行使できる時点から10年
買主が業者(企業)の場合
買主が業者(企業)である場合、買主は受領した目的物の検査をすぐに行わなければなりません。目的物の契約不適合を発見した場合は、ただちに売主に通知する必要があります。個人が買主である場合と異なり、ただちに通知されなかった場合は、契約不適合の追及ができなくなるため注意が必要です。

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