強制競売[きょうせいけいばい・きょうせいきょうばい]
強制競売とは
抵当権を持たない債権者(消費者金融・クレジットカード会社など)が、公式な書類をもってして債権回収を目的に不動産を競売にかけること。
対して抵当権のある物件のローンが滞納された場合の競売は「担保不動産競売」といいます。
抵当権
金融機関(債権者)が、住宅購入者が住宅ローンを借りる際に、購入する住宅や土地などの不動産をに対して設定する権利のこと。 ローンの返済が滞れば不動産を担保にして、債権者が担保物件から弁済を受けることができる。ローン完済後は抵当権の抹消登録により抹消される。
強制競売の流れ
強制競売は、以下のような流れで行われます。
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1. 督促・催告を受ける
督促・催告通知が届きます。滞っている支払いを求める内容となっており、内容証明郵便または電話やメールなどで届きます。
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2. 強制競売の申し立てをされる
督促や催告後も支払いがされない場合、債権者は裁判所に強制競売の申し立てを行います。
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3. 競売開始決定通知が届く
裁判所で強制競売の申し立てが受理されると、債権者に「競売開始決定通知」が届きます。これは裁判所が競売の手続きを開始したということであり、実際に競売の入札が始まるまでは、半年程度かかります。競売を取り下げることができるのは、申し立てをした債権者のみであるため、この時点で債権者と交渉をしなければなりません。
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4. 執行官・不動産鑑定士による不動産の現況調査
競売の開始が決定後、数週間~2ヵ月程度して裁判所の執行官と不動産鑑定士らによって、不動産の現況調査が行われます。
現況調査は物件の状態や権利関係・所有者の家族構成などを調べるもので、実際に物件の入って写真の撮影もします。この際債務者は拒否することはできません。物件の中に入ることを拒否したとしても、執行官の権限により、鍵を開けて中に入ることができます。 -
5. 配当要求終期の公告・入札・落札者の決定
現況調査の一か月後に配当要求終期の広告が行われます。
これは不動産が競売にかけられことを他の債権者に知らせる手続きのことです。配当要求終期の広告が行われると入札に入り、最高額の入札者が落札することになります。 -
6. 売却許可決定・落札者が代金を納付する
落札後に裁判所が落札者に対して「売却許可決定」を出した後、落札者は代金を納付します。これにより売却が確定になります。
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7. 引き渡し・立ち退き
落札者の納付により売却が確定すると、不動産の所有者は落札者に移行します。このタイミングで債務者に対して物件の引き渡し命令がでます。引き渡し命令後は速やかに不動産を引き渡さなければなりません。引き渡しを拒否した場合、落札者が裁判所に申し立てをすることにより強制退去命令がでます。
強制退去になった場合、物件の中にあるものは強制的に運び出され、債務者の都合に関係なく追い出されます。