期限の利益の喪失[きげんのりえきのそうしつ]
期限の利益の喪失とは
「期限の利益の喪失」とは、「”返済期日まで”に債務を返済すれば良い」という債務者の利益である「期限の利益」が失われることです。期限の利益が失われると、返済期日までの猶予が失われ、債権者は債務者に対して債務の一括返済を求めることができるようになります。
期限の利益を失うのはどんなとき?
期限の利益を失うケースとしては、民法に定められた場合と、契約によって定められた場合があります。
民法に定められた期限の利益喪失事由
民法137条は、次のことを期限の利益喪失事由と定めています。次のような場合、債務者は期限の利益を主張することができません。
- 債務者が破産手続開始の決定を受けた場合
- 債務者が担保を滅失・損傷・減少させた場合
- 債務者が担保を差し出さなければならない状況でそれをしない場合
これらの場合は期限の利益喪失通知がなかったとしても、自動的に期限の利益を喪失します。
ただし契約で異なる取り決めがある場合は契約どおりになります。
契約によって定められた期限の利益喪失事由
期限の利益喪失自由は、契約によって定めることができます。債権を確実に回収するために、民法の規定よりも幅広く定めていることが多いです。その一例では以下のようなものがあります。
- 滞納をした場合
- 契約違反をした場合
- 債務整理をした場合
- 差し押さえを受けた場合